低消費電力ロボット応用の為の FPGAコンポーネント化技術の研究開発(総務省SCOPE)プロジェクト

ROSxFPGA=OpenReroc Project

Japanese/ English

研究開発の内容

 ROS準拠FPGAコンポーネント手法の確立と、コンポーネント化のオーバヘッド削減による性能向上・消費電力削減に取り組む。ROS準拠FPGAコンポーネントとは、ROSにおけるPublish/Subscribe通信モデルに対応したデータの入出力を可能とするものであり、FPGAを活用しアプリケーションに特化した並列処理による性能向上・消費電力削減を行うことを可能とする。

 ROS準拠FPGAコンポーネントの課題は、FPGA処理の入出力データ通信における遅延時間のオーバヘッドが大きいことである。すなわち、FPGAを活用して処理を高速化したとしても、FPGAとソフトウェア間の通信、およびROSノード間のPublish/Subscribe通信における遅延時間が大きいことがこれまでの検討で分かっている。1年目(フェーズⅠ)は、この課題に重点的に取り組む。すなわち、ROS準拠FPGAコンポーネントにおける通信遅延オーバヘッドの削減を行い、ノード間通信を加味して、ROSノード全体として性能電力比10倍を達成する。

 更に、2・3年目(フェーズⅡ)に、日常生活支援ロボットの実証システムを構築するためのROS準拠FPGAコンポーネントを開発する。SLAM(Simultaneous Localization And Mapping)は、ロボットが周囲の地図を作成して、その地図内での自分の位置を推定する処理であり、日常生活支援ロボットを始めとする自律移動ロボットには必須の技術である。しかし計算量が多い問題があり、ROS準拠FPGAコンポーネント技術を活用することで低消費電力化が可能であると考える。具体的には、SLAM処理システム構築のための3種類(カメラ・センサ入力、SLAMに必要な画像認識処理、アクチュエータ駆動)のROS準拠FPGAコンポーネントを開発する。実装したコンポーネントはオープンソースとしてROS公式サイトにて配布する。

 更に、以上の研究開発で得られた研究開発成果および戦略について、委員会にてレビューを行う(年次目標3)ことで課題を明らかにし、実用化・世界標準化を目指す。